干支(えと)って何?意味や由来と調べ学習で使えるおもしろ話!

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毎年、年賀状の季節になると、「今年って何年(なにどし)?」という会話が聞こえてきますね。この「何年(なにどし)?」とは、一体何者なのでしょう?ここでは、『干支(えと)って何?』から『干支にまつわるQ&A』について、調べ学習でも使える!?おもしろいお話をご紹介できたらと思います!

1.干支(えと)って何?十二支とはちがう?

実は一部しか知らない人も多い!?そもそも『干支(えと)とは?』ずばりそこから説明していこうと思います!

1‐1.干支(えと)ってかんちがいしていませんか?

まず、君がいう干支(えと)って、十二匹の動物が出てくる『十二支』のことかな?

「え?干支(えと)と十二支って違うの?」

両方とも、暦(時間の周期)や方位などを表す言葉だけど、干支は、十二支と十干(じっかん)が組み合わさったもので、全部で60種類もあるよ!まずは、おなじみの十二支から説明していきましょう!

1-2.十二支とは?

十二支
ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い、の12種類

もう言うまでもなく、有名だよね。みんな年賀状を見たり、縁起が良い置物が売られているのを見たりして、それぞれ12匹の動物があてられているのを良く知っているよね。『2020年は、ねずみ年(どし)!』などと言われて、毎年かわっていき、12年で1周します。

「なんで、この12匹の動物なんだろうね?」

実は、まだなんだとか。土から見つかった2000年以上昔の資料には、すでに12匹の動物があてられていたといわれているよ。そういうわけで、他の国でも似ているような動物が使われているよ。ここでは、日本の十二支とは違った、面白い動物たちを紹介するよ。

日本とは違う、他の国の十二支の動物
・亥(いのしし)がブタ🐖【中国、韓国、タイ、ベトナム、モンゴル、インド、ロシアなど】
・卯(うさぎ)がネコ🐈【タイ、ベトナム、ロシアなど】
・未(ひつじ)がヤギ🐐【タイ、ベトナム、ロシアなど】
・寅(とら)がヒョウ🐆【モンゴルなど】
・辰(たつ)がワニ🐊

「いつも年賀状を見ていて気になってたんだけど、漢字が動物の字とちがうよね!牛とか書かないし。」

よく気がついたね!十二支の漢字は、普段見ないような漢字も使われているよね!この漢字は、それぞれ意味のある漢字の一部みたい。12年で一つのいのちの物語を見ているようだね!

ね  🐀鼠→子:『孳(うむ)』いのち(陽気)が生まれる
うし 🐄牛→丑:『紐(ひも)』いのちがつながる
とら 🐅虎→寅:『演(えんじる)』形(赤ちゃんとして)をとって生まれる
う  🐇兎→卯:『冒(ぼうけん)』ひらく ※『卯』も「ボウ」と読むところから
たつ 🐉竜→辰:『震(ふるえる)』いのちの活動
み  🐍蛇→巳:『已(やむ)』だんだん陽から陰へうつる
うま 🐎馬→午:『忤(さからう)』上に向かう陰と下へ降りる陽がぶつかる
ひつじ🐑羊→未:『昧(くらい)』陰気でおおわれる
さる 🐒猿→申:『申(くりかえす)』陰気でおおわれる
とり 🐓鶏→酉:『酒(かもす)』陰気が熟する
いぬ 🐕犬→戌:『恤(あわれむ)』すべてしまいこむ
い  🐗猪→亥:『核(かく)』いのちの全てをもっている

ここで出てくる陰陽(いんよう、陽気・陰気)は、『世の中のことは、2つの反対のことと、そのバランスで全て説明できる』という考え方。分かりやすい例では、昼夜、+-、男女…いろいろありそうだね!ここでは、陽は成長、陰は老いと考えると分かりやすいかもしれない。

1-3.十干(じっかん)とは?

干支(えと)は十二支と十干(じっかん)の組み合わせだって言ってたね?」

そうだね、あまり知らないと実感(じっかん)がわかないよね…
…それでは、十干(じっかん)について、ここでは説明していきましょう。

十干
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸、の10種類

それぞれ、以下のような意味を持っているよ。十二支の時のように、やはりこちらも、いのち(植物?)の一生を見ているようだね。

甲(きのえ) 木の兄:草木の芽生え
乙(きのと) 木の弟:陽気がかがんでいる
丙(ひのえ) 火の兄:陽気がたちのぼる
丁(ひのと) 火の弟:陽気がみたされる
戊(つちのえ)土の兄:陽気からふえる『茂(しげる)』
己(つちのと)土の弟:散らばらないようにまとめる『紀(すじみち)』
庚(かのえ) 金の兄:みのる
辛(かのと) 金の弟:陰気がおおう

壬(みずのえ)水の兄:陰気の中に陽気をはらむ『妊(みごもる)』
癸(みずのと)水の弟:地ならしをして新しいいのちの準備をする『揆』

「よく見ると、2個ずつ5組のペアになっているね!」

そうだね。『〇の△』とあって、△では『え(兄)』と『と(弟)』が繰り返されているね。これで『干支』が『えと』と言われるわけが分かったかな?『干支』は本当は「かんし」と読むのが正解!でも「えと」がすっかり定着しているね。

『〇の方は、曜日みたいだね。』

この『木・火・土・金・水』五行と言うよ。惑星の名前にも使われていたり…いろいろなところで見かける組み合わせだね。世界をつくっているもと、だと言われているよ。

2.みんなに教えてあげよう!本当の干支とは

十二支と十干の説明ができたので、ここからは、60種類の『干支』について、説明していきます。

2‐1.干支の由来

干支は最初、お隣の中国で、3000年以上も前に考えられたとされているよ。それから、日本だけでなく、朝鮮半島から東南アジア、ロシアや東ヨーロッパの方まで広がったとされるよ。

『干』は幹(みき)・肝(きも、肝臓)⇒大事な中心のこと
『支』は枝(えだ)・肢(手足のこと)⇒分かれている先のこと

を表す言葉のようだね。

2‐2.干支の数え方

十二支と十干をそれぞれ組み合わせて、甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)…というように両方を同時に進ませると、60個の組み合わせができます。総当たりではないので、甲丑(きのえうし)のように、できない組み合わせがあるのがポイントだね。60個あるけど…一応全部書き出してみようか!

60個の干支
甲子・乙丑・丙寅・丁卯・庚辰・辛巳・戊午・己未・壬申・癸酉・
甲戌・乙亥・丙子・丁丑・庚寅・辛卯・戊辰・己巳・壬午・癸未・
甲申・乙酉・丙戌・丁亥・庚子・辛丑・戊寅・己卯・壬辰・癸巳・
甲午・乙未・丙申・丁酉・庚戌・辛亥・戊子・己丑・壬寅・癸卯・
甲辰・乙巳・丙午・丁未・庚申・辛酉・戊戌・己亥・壬子・癸丑・
甲寅・乙卯・丙辰・丁巳・庚午・辛未・戊申・己酉・壬戌・癸亥、の60種類!

これは算数の勉強だ!ぜひ、自分でも順番に60個の組み合わせを作ってみてね♪

3.年だけじゃない!干支の使い方

干支は、何も『年』の周期を表すだけではありません。ここでは、それ以外の場所で使われている干支について、ご紹介できたらと思います!

3‐1.『年』以外の『時間』の周期をあらわす

立派なカレンダーを見てみると、毎日この『60種類の干支』が書いてあることがありますが、見たことはあるでしょうか。『日』の周期ですね。1か月は大体30日だから、毎日の干支は2か月で一周する計算になります。

また、『月』の周期もあります。12種類で12か月なので毎年変わらず決まっています。11月がスタートの子月とされています。今でも、4月のことを卯月(うづき)と言いますが、干支月の卯月は2月のため、干支の名残かどうかは意見が分かれるようです。

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もっと短く『時間』の周期にも使われることがあります。1日は2時間なので、2時間ごとに十二支があてられます。日が変わる午前0時をはさむ2時間(23時から1時)を『子(ね)の刻』と決め、それから順番に『亥(い)の刻』まで12個あります。

ちょうどお昼どき、午前11時から午後1時までの2時間は、7番目の『午(うま)の刻』ですね。これで、『正午(12時)』『午前』『午後』の言葉の由来が分かりますね。

また、怖い話に出てくる、おばけの出やすい時間帯『丑三つ時(うしみつどき)』も、もちろんここからきています。真夜中の午前1時から3時、2番目の『丑(うし)の刻』の2時間を、さらに30分ごとに4つに分けたうちの3番目の時間帯、つまり午前2時から2時半を表しています。もう算数が過ぎて、怖さも半減…いや1/4減ですかね(笑)。

3‐2.『方位』をあらわす

干支は、時間に限らず、方位をあらわすのにも用いられます。

北を『子(ね)の方角』と決め、ここからぐるっと東回りで360°を12で割った、30°ごとに順番に『亥(い)の方角』まで決められています。この間、15°ごとに十干も加わります(スタートは微妙にずれているようです)。実際に方位にあてはめようとすると、方位は8個(16個)に分かれているため、微妙な表現になるところもありますが、角度とあわせて見ていきましょう。※今回は、干支以外の方位の説明は省略しています。

子:0°北
癸:15°北北東微北
丑:30°東北東微北
(45°北東)
寅:60°東北東微北
甲:75°東北東微東
卯:90°東
乙:105°東南東微東
辰:120°東南東微南
(135°南東)
巳:150°南南東微東
丙:165°南南東微南
午:180°南
丁:195°南南西微南
未:210°南南西微西
(225°南西)
申:240°西南西微南
庚:255°西南西微西
酉:270°西
辛:285°西北西微西
戌:300°西北西微北
(315°北西)
亥:330°北北西微西
壬:345°北北西微北

うまいことできていますね!南北を結ぶ線を『子午線』と呼ぶのも、もちろん干支に由来していることが分かると思います。

4.まだまだある!干支にまつわるおもしろエピソード

 

干支に関係のあることは、まだまだたくさんあります!身近なあのイベントから、歴史的事件まで、干支にまつわるおもしろエピソードを集めてみました!

4‐1.干支にまつわる身近なイベント

あんなイベントもこんなイベントも!日々の生活に溶け込んだ干支を見つけていきましょう。

4‐1‐1.干支にまつわる月ごとの行事

●端午の節句
5月に入って最初の午(うま)の日に行う行事。男児の健康と成長を願うイベントとして広く定着している。

●土用の丑
土用(季節の変わり目の直前)の期間のうちの『丑(うし)』の日のこと。土用は立春・立夏・立秋・立冬の直前の4回あるが、立秋前(7/19~8/7)の暑い時期に栄養補給のためウナギを食べる日として広く定着している。土用の期間が18日あるので、年によっては2回丑の日がまわってくることがある

●亥の子
旧暦10月(今なら11月)の『亥(い)』の日に行う、稲の刈上げイベント。収穫を終えた土地を鎮める儀礼と言われている。

4‐1‐2.干支にまつわる一生の一大イベント

●還暦
60歳になったおじいちゃんおばあちゃんに赤いちゃんちゃんこを着せて、長生き祝うイベント。干支で年を数えると60年ひと回りになることから、『生まれ変わる』という意味が込められているんだとか。赤ちゃんのような衣服を着るのも納得。ちなみに、2周して120歳になることを『大還暦』と呼ぶそうです!

●戌の日、お戌まいり
子供を授かったお母さんが、安産を願ってお参りにでかける日、またはお参りにでかけること。犬の出産が軽めで、また赤ちゃんをたくさん産むことから、『戌(いぬ)』が選ばれたのだとか。安定期に入る5ヶ月の『戌の日』にお参りに出かけることが多い。また、この時に帯祝いをいただいたり腹帯を巻き始めたりする習慣もある。

●結婚を避ける
相手が去る(申)という不吉な語呂合わせがあり、結婚式の日取りで『申(さる)』の日を避ける人もいるのだとか。

4‐2.干支にまつわる歴史的イベント

名前が不思議だったあのイベントから地名まで、全て干支から来ていると思ったら納得!ここでは、その一部を紹介できたらと思います。

4‐2‐1.干支にまつわる戦いの歴史

●壬申(じんしん)の乱
古代日本最大の内乱。飛鳥時代、当時天皇だった大友皇子に対し、大海人皇子が兵を挙げて内乱を起こし、大勝利をおさめて天皇の座を奪った。天武天皇元年(672年)は、壬申(みずのえさる)の年だった。

●戊辰(ぼしん)戦争
日本で起こった大きな内戦。武家を中心とした政治を行っていた江戸幕府と、それに対抗して天皇を中心とした政治へと働きかけをしていた新政府(明治政府)とが衝突した。明治元年(1868年)は、戊辰(つちのえたつ)の年だった。

4‐2‐2.干支にまつわる歴史イベントその他

●甲子園(阪神甲子園球場)
高校野球でおなじみの兵庫県にある野球場(とその周辺地域)。野球場が開設された1924年は、甲子(きのえね)の年だったことから、球場とこの辺り一帯の地域を甲子園と呼ぶことになった。

●赤ちゃんが少なかった年
『丙午(ひのえうま)』の年に生まれた女性は気性が荒くなる、という迷信が流行し、丙午の年であった1966年の出生数が激減(前年より25%も減少!)した。これは、干支の影響力がいかに大きいものかを物語っている。

5.まとめ

干支が思っている以上に、私たちの生活の中に入り込んできていることが分かりましたね!まだまだ他にも、たくさん見つけてみませんか?最後にまとめておきます。

まとめ
1.干支(えと)って何?十二支と違う?
・干支=十二支、ではない。干支は十二支と十干を組み合わせたもの。
・十二支の動物の由来は謎だが昔からある。他の国では他の動物も!?
・十干は五行と『えと』の2ペア×5組の組み合わせ
2.みんなに教えてあげよう!本当の干支とは?
・干支は十二支と十干(じっかん)の組み合わせで60個あるのが正解!
・干支は、いのちのサイクルを表していた!
3.年だけじゃない!干支の使い方
・時間では、『日』や『月』、『時刻』を表すのにも使われる(使われた)!
・方位で用いられることも。
4.まだまだある!干支にまつわるおもしろエピソード
・身近なイベントから歴史的事件まで、干支にまつわるエピソードがたくさん!
 
これで、調べ学習の宿題もバッチリだね!ぜひ、お友達にも話してみよう!
干支がもっと身近に感じられたらうれしいです♪


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