おもちがふくらむ理由は?子供への簡単な答え方と分かりやすい解説!

スポンサーリンク

お正月に入ると『おもち』を食べるチャンスも多くなりますね。そんな時に、子供に「おもちって何でふくらむの?」と聞かれると、答えに困りませんか?

そこで今回は、そんな『おもちがふくらむ理由』を分かりやすく解説します!

おもちはなぜふくらむのか

まずは、おもちの特長とも言えるかわいらしいビジュアルに、一度は子供が食いついて聞いてくる「なぜ、ふくらむのか?」の質問に、お答えします!

一言で答えるとズバリ!
おもちはもともと切れにくい上に、水や熱を加えたりこねたりすることでやわらかく伸びやすく『風船』みたいになるから。それから、あたためられたおもちの中で、水が湯気(水蒸気)になって、おもち風船を中から広げるから。

おもちがふくらむのには、大きく分けて4つの理由があるようです。

①おもちは、切れにくい構造をしている。
②おもちは、水と熱で伸びる。

③おもちは、こねられるとさらに粘りやすくなる。
④おもちの中で、水蒸気が増える。

1つ1つ説明していきましょう!

1.おもちって何者?おもちが伸びやすい構造の正体!

おもちは、ごはんと同じ『お米』から作られます。正確には、ごはんは『うるち米』とおもちは『もち米』由来と分かれています。お米の成分は、どちらも『デンプン』ですが、構造が少し違います。

デンプン(アミロースとアミロペクチン)のモデル

これらは、どちらもデンプンの一部(モデル)です。主に、1本につながっていくもの(アミロース、図上)と枝分かれするもの(アミロペクチン、図下)に分かれます。このような長いデンプンが、さらにいくつも集まっています。ごはんには、両方の種類が含まれますが、おもちには枝分かればかり含まれます。

1本の糸と根っこ、それぞれたくさん集まったら、どちらがこんがらがりやすいか、想像できますよね!つまり、おもちは『根っこがごちゃっと集まったようなもの』なわけです。お互いにからんで1つ1つが離れにくい、つまり切れにくいわけです。

2.おもちが水を含むとやわらかくなるのはなぜ?

「最初はかたいのに、焼いたり煮たりしたら、やわらかくなるよね!ふしぎ~」

そうだね。でも、これはごはんやパンも同じでしょう?お米も小麦も最初はかたいけど、水を加えて温めたら、いつの間にかやわらかくなる!この「水」「熱」がポイントだね!

まずは、水。おもちに水を加えると、おもちの中にいくつもあるデンプン同士の隙間に水が入り込むので、デンプンがばらけて広がります。これは、1本デンプンも枝分かれデンプンも同じですね。

さらに、熱を加えると、デンプンの中にある糖(六角形の部分)の中でも構造がほぐれてきます(寒い冬、家の外よりも暖房のきいた暖かい部屋の方が動きやすいのと同じです)。特に、枝分かれデンプンは、枝の間でまとまっていた部分もほぐれるので、より広がりやすいですね!

スポンサーリンク
アルファ米のアルファ
非常時の食品として注目されているお米『アルファ米』がありますが、このアルファとは、つまり『デンプンをα(アルファ)にした状態のまま』を表しています。
…αってなんのこっちゃ?
実は、デンプンは2つの状態になることができて、


・生のままのかたいお米のデンプンは、β(ベータ)デンプン
水と熱を加えて柔らかくなったお米のデンプンは、α(アルファ)デンプン
と呼ばれています。お米を炊いた状態から上手に乾燥させることで、非常時にお湯(水)を加えるだけで食べられるような保存食のご飯ができました!

3.おもちをこねると、さらに粘りやすくなる?

もち米に水と熱を加えてできたものは、まだおもちというよりも『おこわ』状態。これをさらに、きねとうすでついたり、餅つき器のなかで羽を使って回したりすることで、枝分かれデンプン同士をどんどんからませます。そうすることで、おもち特有のねばりと伸びやすさが生み出されています。

4.おもちがふくらむ時の空気も、おもちの中にある水のしわざ!

おもちの中に含まれる水は、あたためられていくと、やがて湯気(水蒸気)になります。そうして、おもちの中にどんどん水蒸気がたまり、ついには伸びやすいおもちの表面を押し広げて、風船のようにふくらみます。

おもちが冷えるとかたくなるのはなぜ?

おもちと言えば、ふくらむだけではなく、あんなにやわらかくなったおもちが、冷えるとかたくなるのも不思議です。おもちがやわらかくなる現象を逆にたどりながら、おもちがかたくなる現象を考えてみましょう。

冷える→おもちのなかの水は水蒸気にならず、デンプンの中の構造がうごきにくくなる。
水がなくなる→デンプンがまとまりやすくなる。

⇒結果、おもちはかたくなる。

ただし、最初のもち米の時とは違い、一度水を含ませたものは、再び熱を加えたらおもちに残っている水分でやわらかく戻ることができます!

かたくならないもちの正体は?

「たまに、かたくならないおもちがあるよね?お店で売ってるものとか。」

そうだね!よく気づいたね。これは、おもちがかたくなるのを防ぐような、おもちの一部に似ているものを加えているんだよ。

おもちがかたくなる原因が、ガチガチの規則正しい構造(結晶)に戻ることなので、この「ガチガチの構造」にならないように工夫しているものがあります。

よく使われているのは、トレハロースという糖類です。これが、デンプンの間に入り込むことで、いろいろなところがくっつかないようになり、ガチガチを防ぎます。
また、トレハロース自体が水と仲良しなので、水分が失われにくいことも効いています。これらの特長のおかげで、長い間やわらかいままのおもちを食べることができるようになりました。

まとめ

今回は、「おもちがなぜふくらむのか?」という子供の質問に答える方法を、そのしくみと一緒に考えてみました!最後にもう一度まとめを書いておきます。

まとめ
おもちはなぜふくらむのか?
おもちが、水と熱でゴムのように伸びやすくなってから、おもちの中でできた湯気によって風船のようにふくらまされるから。

【おもちがふくらむしくみ】

①おもちは、もともと、中に枝分かれデンプン(アミロペクチン)がたくさんあって、根っこのようにお互いにからみあっているから切れにくい。

②おもちは、水や熱を加えることで、枝わかれデンプンの枝がひろがったり伸びたりすることで、やわらかくなる。

③おもちは、たたいたりこねたりすることで、枝分かれデンプンがさらにからんで、粘ったり伸びたり、ゴムのようになる。

④おもちは、あたためられ続けると、中で水が湯気(水蒸気)がいっぱいになって、ふくらむ。

やわらかいおもちがかたくなるのは?
おもちがやわらかくなる現象の逆のことが起こっている。ただし、一度水を加えてやわかくなっていると、熱を加えると、またその水でやわらかく戻ることができる。

今度から、おもちを焼くときには、おもちのなかで起こっていることを想像しながら親子で食べてみましょう♪


コメントを残す